山陽リレーコラム「平井の丘から」
虐待について考えてみましょう 荒島 礼子
掲載日:2019年4月16日
カテゴリ:こども育成学科
近年、児童虐待が後を絶たず、大きなニュースとなっています。政府においても、児童虐待防止法の強化が叫ばれているところです。
さて、私が保育現場にいたとき、1つの虐待事例を認めました。3歳のAちゃんの指に丸いやけどの跡があったのです。私はAちゃんを抱っこして「ここどうしたの?」と聞くと「たばこで焼いた。」と答えました。「誰がしたの?」と聞くとAちゃんは答えません。どのくらい時間がたったでしょうか「お父ちゃんがした。」と答えました。私はその答えを予想はしていたものの、大きな衝撃を受けました。私は、Aちゃんの手をさすりながら「熱かったね、痛かったね。」と言いました。するとAちゃんは「でも私泣かんかったよ。」と言ったのです。「痛かったら痛い、熱かったら熱い、お父ちゃんやめてって言わんといけんよ。」そういうのが精いっぱいの私でした。
役所の保健師に連絡を入れると、すぐに児童相談所含む多くの関係者が集まって会議がもたれました。そしてその後児童相談所の依頼を受け、児童民生委員会議で事例報告をしました。それはちょうど虐待防止法ができた年の事でした。
今私は、幼児教育を学ぶ学生にこの事例を伝えながら、子どもの人権についての授業を実施しています。又、大学でも『sanyo子育て愛ねっと』として子育て支援事業に取り組んでいます。
社会全体で、虐待防止について真剣に考えていかなければならないと強く思っています。
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