山陽リレーコラム「平井の丘から」

アンティックピアノの魅力  田中 節夫

掲載日:2018年9月12日
カテゴリ:こども育成学科

 日本でピアノといえばヤマハかカワイを思い浮かべることと思います。或いはスタインウェイ。世界にはその他にも有名なメーカーが数々あります。例えばベーゼンドルファー、ベヒシュタインなど。私がドイツに留学していた頃、当地の音楽大学には他にもシンメルン、グロートリアンなどがありました。
 でも私が一番好きだったピアノはフランスで弾いたプレイエルというピアノです。プレイエル社はもうありませんが、かつてはショパンが最も好んだピアノとして有名でした。プレイエルは高音が良く響き、良く歌ってくれるピアノで、ショパンはこういう響きを好んだんだな、ということが身を持って感じることができました。また、フランスの作曲家ラヴェルもこういうピアノの響きを知っていたからこんな曲を書いたんだ、と納得しました。プレイエルはもうアンティックの部類ですが、現代のピアノが失ってしまった古き良き時代の響き、香りを伝えてくれます。

 岡山在住のチェリスト、M氏はグロートリアンのアンティックピアノを持っていらっしゃいます。このピアノはショパンと同い年のシューマンの夫人、有名なピアニストのクララ・シューマンが愛用していたそうで、M氏が手に入れ、修復したそうです。一度弾かせていただきましたが、やはり古き良き時代を感じさせるうっとりとするような音色とタッチでした。またデザインもロココ調で素晴らしいです。

 ところで本学の私の研究室にも同じ古い時代の、今では手に入らない貴重なグロートリアンのアップライトピアノがあります。これは山陽学園の理事長だった星島義兵衛氏が寄贈してくださったそうですが、少し修復が必要な状態です。私は本学に着任以来、このピアノを何とかしたいと考えています。最近では古いピアノを修復し、コンサートを行い大きな話題になっているところがいくつもあります。
 本学でもこのピアノを修復してコンサートを行なったり、在学生や卒業生に弾いてもらうことができれば、寄贈してくださった星島氏も喜んでくれることと思います。

 
星島氏寄贈のグロートリアン
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